1,おばあちゃんを認知症の検査に連れて行きたい
最近おばあちゃんが、同じ話ばかりをするんです。
それで、私が「それさっきも同じこと言ってたよ」て言ったら、すごく怒っちゃって。
昨日なんかは、おばあちゃんがとっても好きな歌手の名前が思い出せなくなっちゃって、すごく悲しんでたんです。
なるほど、確かに認知症かもしれませんね。
ただ、きちんと病院で検査しないと本当に認知症がどうかは分かりませんよ。
はい。
認知症は早く発見して受診すると、いいお薬が処方してもらえると聞いたので、それもあって早く病院に連れて行きたいと思うんです。
早めの受診はいいと思いますよ。
認知症の進行を抑える薬もありますけど、まずは認知症かどうかの診断をしてもらわなくてはなりませんね。
はい。
でも、うちのおばあちゃんに「認知症の検査をしてもらいに行こうよ」って言ったら、
「私はまだボケてない!!病院なんか絶対行かない!」って怒っちゃって・・。もうどうしたらいいか。
あらら。
これは実際の相談例なのですが、よく耳にする話だと思います。
でもよく聞く割りには、これといった確実な解決方法が無い事例の一つですね。
お婆さんは自分が認知症だと診断されるのが怖くて行きたがらないんですよね。
認知症の人は、自分が認知症だとは分からないと聞いていますが?
それはある意味本当で、半分は嘘です。
認知症の初期の場合は、本人も「なんだかいつもの自分とは違う」とは気がついています。
そして、認知症の知識があれば、もしかして私は認知症かもと何となく感じていると思います。
でも、知識があればなおの事、認知症は怖い、認知症にはなりたくないと思う人も多く、自分がそうなるかもしれないとは絶対に認めたくないものなのです。
私って認知症なのかな・・、いや違うそんなわけない。絶対違う!と
そんな時に「おばあちゃん、認知症の検査に行こう」と言われて「はい。行くよ!」となる人は稀ですね。
認知症も進んで重度になれば、自分が認知症であるかなんてもうどうでもいい?ので、自分が認知症であることが分からなくなるとは思いますが。
あて、そんな不安な時期に、病院に誘えば皆不安になります。
では、どうやって誘うか・・となりますね。
効果的な誘い方があるのですか?
これをやれば必ず成功するというものはありません。
特に私(アール)のように、性格がひねくれまくっている人間に対しては、どんな方法をとっても「病院には行かないっつったら行かないんじゃ!!」となるかもしれない事は、覚悟しておいて下さい。
ただ、いくつかの成功事例がありますので以下に書いてみたいと思います。
1,家族ではない人に病院に行くように言ってもらう。
家族の言う事は聞けないが、小さなころからあこがれの近所の茂三さん(仮名^^;)の言う事なら、聞くという場合もあります。
また長年の親友の美代ちゃん(仮名)が、一緒に行こうというのなら行くかも。
家族がどんなに説得してもダメな場合は、本人が信頼している人等にお願いして、病院に誘ってもらうのは効果的な手だと思います。
また定期的に他の病気で病院受診していらっしゃるのであれば、その先生から検査に行きなさいと言ってもらうのもありです。ただし、この場合先生の事を信頼していないとダメですけど。
2,家族が健康診断に行く(ふりをする)
例えばですけど、花子さんがおばあちゃんに「最近頭が痛くて、大変な病気じゃないかと気になるの」と相談するとします。
おばあちゃんは、孫が心配ですから「え、そりゃ早く病院に行かないと」となりますよね。
花子さんは「病院には行くけど、怖い病気だと心配だから、おばあちゃんがついてきてくれたらうれしいんだけど」と言います。
孫に頼られるのは嬉しいおばあちゃんは「じゃあ一緒に行くよ」となりますので、
その病院を認知症の病院にすればいいんです。
病院にはあらかじめ、おばあちゃんを連れて行くことを相談しておけば、病院側も慣れっこですので、
お孫さんの検査のついでにおばあちゃんを検査しましょう等と言ってくださるでしょう。
心配な場合は、病院としっかり演技の打ち合わせをしておくといいでしょう(慣れている病院は対策もばっちりです)。
ただし、家族もちゃんと演技をして下さい。病院に連れて行くだけ行って、後は病院に任せて知らんふり、では家族間の信頼関係が壊れます。
本当に家族が具合が悪くて、せっかく病院に来たんだからそのついでにおばあちゃんも検査という設定を無視すると、後で喧嘩になる可能性もあります。
3,情に訴える
おばあちゃんが病院に行かない!と怒ったら、いっそのこと家族が泣いてみるのはいかがでしょう。
お孫さんなどが効果的ですね。
おばあちゃんが心配で心配でたまらない、病院に行ってくれないと夜も眠れない。
早く病院に行けば、治るのに・・。
等と言い、ポロリと泣いてみたら、おばあちゃんも無下には出来ないでしょう。
家族が心から心配しているというのを態度で示せば、しょうがない、いくか!と覚悟をきめてくれるやもしれません。
この方法が実は一番良いと思います。
4,困った時の「包括支援センター」
地域包括支援センターとは、介護が必要な状態になっても、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、地域の65歳以上の高齢者を包括的に支援していく機関です。
どこの地区にも設置されていると思います。(離島などにはないかも・・?)
包括支援センターの仕事は多岐にわたるのですが、まあ、ざっくりいうと、高齢者の様々なお悩み事を、本人や家族と一緒に考えてくれるところと思ってください。
病院に受診は嫌だけど、「ご相談」には行ってもいい、そういう人は多いと思います。
相談は無料で、電話や対面で相談が出来ますので、お気軽に利用してみてください。
包括支援センターでも、本人に病院を受診する事を進めてくれますし、
適切な病院を紹介してくれたりもしますよ^^。
5,認知症カフェ(オレンジカフェ)等への参加
認知症カフェは、認知症の方(疑いの方)やその家族、また認知症の興味のある方等などどんな方でも参加が可能なカフェです。
カフェと言ってもお茶飲んで帰る、と言うだけではなく、そこに集まる方々と認知症への不安などを語り合う事が出来ます。そのうちに、自然と気持ちが楽になり、病院受診へとつながるケースも多くあります。
認知症カフェでは、話し合うだけでなく認知症の勉強会やレクリエーションなども行っている所があり、顔を出すだけでも楽しい所です。
また、介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネージャー)、看護師などの専門家もおりますので、色んな相談が可能です。
ただし、認知症カフェは地域によっては開催されていない場所もありますので、お住まいの地域で探してみてください。
なるほど~。いろんな方法があるんですね。
試しにいろいろやってみたいと思います。
そうですね。
人によって効果的な方法が違うので、まずは実行しやすい所から始めてみてください。
まあ、まずはもう一度、病院に行ったほうがいいんじゃないかって冷静に話してみてくださいね。本人が納得したうえで受診するのが最もいいと思いますので。
病院に行く事でのメリットも話してみてくださいね。
後は決して無理やりに連れて行くことはしない事ですね。
一度、お爺ちゃんを家族総出でタクシーに乗せて押さえつけて病院に来られた方がいらっしゃいましたが、そんな事をしたらお爺ちゃんの家族への信頼はゼロになってしまいます。
どうしても拒否される場合は、ちょっと時間をおいて落ち着かれた時に、再チャレンジしてみて下さい。
私だったら、おいしいもので釣られるかも。
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