まあ、嫁に限らないんですけどね。
と・・いきなりタイトルと違うじゃないかってね。すみません。
いや、よく質問されるんですよ。こういう話。
例えば、夫の認知症の母親を自宅で介護する嫁、A子さん。
・義母は、いつも私を泥棒扱いするんです
・義母は夫(息子)にA子とか言う女は、いつも鬼のような事をするよ、ひどい、と訴えるんです。
どうしてなのでしょうか?
毎日毎日義母から「泥棒」だの「鬼」だと言われ続けて介護をして、身も心もへとへと。
でも、世話をする人がいないから、自分が義母のお世話をするしかない。そういう状態。夫に訴えるも「御免ね」「まかせた」「俺は仕事があるから」と言うのみ。
一番お世話をしていて、義母の事をいつも考えているのはA子さんなのに、どうしてひどい事言われるんでしょうね?
A子さんは言います。
・一生懸命介護して、いつも悪口言われるのは耐えられない。
・いっそのこと、夫と離婚して義母を置いて逃げ出したい。でも、義母がかわいそうで捨てられない。
・自分の介護の方法が悪いからだとは思っているけど、どうしたらいいか分からない。
どうしたらいいんでしょうね?
はい、その答えは「今まで通りでいい」です。
こういう事で悩んでいる人ってたくさんいます。
自分のお世話の仕方がまずいんじゃないかって、悲しくなってしまうんですよね。
でも、何故認知症者がお嫁さん(夫や息子や娘の場合もありますよ)に対して「泥棒」等と言うのか、
それは
その泥棒さんが一番自分の事を世話してくれて、一番親近感を覚えている存在であるからです。
「はあ?」
訳が分からん、そんな声が聞こえてきそうですね。
では、考えてみましょう。
例えばあなた様の財布がなくなった。でも自分の記憶としては、昨日夜寝る前にバッグに財布を入れたはず。(その記憶があっているかどうかは置いといて)
でも無いという事は? これは盗まれたに違いない。
では、誰が財布を・・?と、考えると頭の中には疑わしい人物が何人か思い浮かんでくるはずですね。
ところが認知症の場合、思い浮かんでくる人物は1人か2人。後はぼんやりしてるか忘れちゃっているか。
そうなると、泥棒は一番に思い浮かんだ人しかいない。
つまり、一番世話してくれている人物。それがお嫁さん、と言うわけです。
だから、泥棒は一番世話をしてくれているのが息子であったなら、息子となることが多いです。
つまり、認知症者が泥棒と言う相手は、一番介護を頑張っている人物であるという事。(例外ありですが)
だからいつもそのような相談を受けた場合は
「え、泥棒って言われたんですか?
じゃあ、めっちゃ頑張っていらっしゃるという事ですね。介護成功してますよ!」
と言います。
相手は「はあ?」って感じになりますけど。
もし、同じような悩みを抱えている方がいらっしゃいましたら、気持を楽にして下さい。
決して、嫌われている訳じゃないんです。
ただ、思い浮かぶのがあなただけだったからです。
大好きな息子の顔も、あまり世話をしてくれないとなると忘れられてしまいますもんね。
だから、そういう時、実は介護は成功しています。本当は一番好かれているし、一番頼りにされているんです。
まあ、それでもやっぱり介護は大変だし、悪口言われるのは嫌ですよね。
じゃあ、少しでも楽な介護をしていくためには・・それを一緒に考えていけたらと思います。
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